死後の手続き(自動車編)
こんにちは。司法書士の加藤隆史です。今日、桜が満開だそうです。お花見に行く方も多いのではないのでしょうか。飲み過ぎにはくれぐれもご注意を!
それでは、今日のコラム「相続・遺言のポイント」では、自動車の相続について書きます。自宅の不動産と同じで、自動車も一家に一台もっている方も多いのではないのでしょうか。不動産の名義変更についてはよく知っているけど、自動車の名義変更は?という方はぜひこのコラムを読んでみてください。
自動車の相続手続き
不動産は、法務局(登記所)で登記されていますが、自動車は運輸局で登録されています。神奈川県の場合は、梅田橋にある神奈川運輸支局や相模自動車検査登録事務所などがあります。
そして、亡くなった方がその車の所有者として登録されている場合は、車を相続した相続人の名義に移転登録する必要があります。ちなみに、コラムでは車の「所有者」が亡くなった場合について話していきますので、車の「使用者」が亡くなった場合とは違います(車の使用者が亡くなった場合は、移転登録ではなく、「変更」となりますので移転登録に比べて簡易な手続きですみます)。
では、なぜ相続による移転登録をしなければならいのでしょうか?これは、不動産と同じで、誰かに譲ったり、売ったりする場合や、使わないから廃車にする場合でも、前提として相続人の名義に変更しなければならないからです。ただ、車の相続の場合、そのままほうっておく方が比較的多いのが現状です。
運輸局へ提出する書類とは
それでは、具体的に運輸局に提出する書類とはどのようなものがあるのでしょうか。基本的には下記の書類が必要となります。
- 亡くなった方の出生から死亡までの除籍謄本等
- 相続人の戸籍謄本
- 車を相続する相続人の住民票
- 相続人が複数の場合は、遺産分割協議書と印鑑証明書
- 自動車税の申告書
- 車庫証明書
- 車検証
ちなみに、名義変更によって、運輸支局や自動車検査登録事務所の管轄が変わる場合は、ナンバープレートも変更する必要があります。
自動車の相続で注意する点
相続手続きにおいて、亡くなった方が所有している自動車を確認する際に、本人が使用していた自動車を確認するだけでは不十分です。亡くなった方の親族が使用している場合もありますので、相続人となる方やその他の親族が使用している自動車に亡くなった方の名義のものがないのかも確認する必要があります。相続税が発生するケースでは、相続財産の見落としが一番怖いですのでこの点を注意しましょう。
なお、亡くなった方が所有している自動車を確認する際に参考となるものは下記のとおりです。
- 購入時の書類(注文書、請求書、領収書など)
- 車検証
- 自動車税納税証明書
- 自動車保険証券
- 所得税の確定申告書
それでは、今日はこの辺で。