相続登記費用の見積は難しい!?
こんにちは、横浜の司法書士の加藤隆史です。6月に入りましたが、まだ梅雨入りはしていないようです。今年は梅雨入りが1ヶ月遅れるとか。まだまだ暑い日が続きますががんばっていきましょう。
さて、本日のコラム「相続・遺言のポイント」では、相続登記費用について説明いたします。よく当事務所にも最初にご依頼をお電話でいただくときに「どのくらいかかるんですか」ということを尋ねられます。まあ、お客様目線に立てば当然のことと言えば当然のことです。私だって、専門外の店やサービスを受けるときには事前に費用金額を確認します。お客様にとって料金・費用というのはもっとも大事な要素でもあるのです。ただ、実はざっくりそのように尋ねられると回答に困ってしまうことも多いのも事実です。それでは、まず相続登記の費用の内訳をみてみましょう。
相続登記費用は、司法書士手数料と登録免許税
登記費用ではまず2つに分かれます。一つは「司法書士手数料」です。こちらは価格の取り決めがなくなりましたので、司法書士事務所が自由に設定できます。ただ、多くの事務所では以前の基準を参考に設定していますので、どの事務所でもさほど変わらないかと思います。もう一つは「登録免許税」です。固定資産評価額の0.4%です。例えば1,000万円の評価の土地の相続であれば4万円です。この登録免許税は、司法書士に依頼しない場合でもかならずかかる金額ですので押さえておいてください。
従いまして、相続登記費用とは「司法書士手数料+登録免許税」の合計額なのです。以上から、固定資産評価額が分からないと正確な見積額が算出できませんのでご注意ください。
相続はどのように進むか分からない
相続登記の費用のお問い合わせをいただくときに見積額を申し上げにくい理由としまして、相続がどのように進むか分からないということです。仮に戸籍を調査して相続人が知らない方が相続人としていることが判明した場合すんなり手続きが進みません。また、遺産分割協議において話し合いがまとまらない場合があります。そうしたら司法書士の方で遺産分割の交通整理をしたりするとその分の費用が加算されます。このように相続という業務は、依頼を受ける段階と進めていく段階で状況が異なっていく可能性がありますので、費用の増加を予測しにくいということがあります。
最近の傾向
最近、司法書士事務所の一部では定額で引き受ける事務所も出てきました。お客様としてはとても分かりやすいですね。それ以下でもそれ以上でもなければ安心ですから。ただ、当事務所ではそのような計算はできません。そのような事務所では、内容が確定している相続登記の手続だけを受任しているのだと思います。仮に相続人の一部が協力してくれなかったり、他の相続人が出現したりしたら対応してくれない場合があります。なぜならそのような状況になることが計算されていないからです。当事務所では、どのような状況になっても最後までお客様のご依頼の内容を貫徹するスタンスですので、当然費用が増加する場合があります。この場合でもできるだけ細めに進捗を伝えて費用があがる可能性がある場合はあらかじめつたえておくようにしています。当事務所でもできるだけ最初の段階で費用の概算はお伝えいたしますので安心してご依頼いただければ幸いです。